取り戻したい・・愛

✫✫史華亡くなる


私は、直ぐに向かった。
史華は、私を見ると
「よう・・こ・・いま・・まで
・・ありが・・とう・‥
ほんっ・・とうに‥・・感‥謝・・
して・・るのっ・・
海愛・・を・・お願‥‥い・・。」
と、言って息を引き取った。

私は、海愛を抱き締めながら
泣いて泣いて泣きつぶれた。

史華は、恩師夫婦によって
葬儀をあげてもらい
納骨され
私と私の両親で史華のお墓を立てた。

史華の荷物を片付けていたら
私宛の手紙が出てきた。

そこには、私と私の両親への感謝の言葉と
海愛の今後について
大賀から頂いていた
お金はすべて貯めていた史華は、
すべてを海愛に渡して欲しいと
書いてあった。

海愛の名前の通帳には、
かなりの金額が入っていた。

私は、一端海愛をつれて
海外に出た。

それから、三年

海愛が六歳の時に
私は、両親のやっている
養護施設に海愛を連れて戻った。

大賀も若頭から組長となり
組を統率しないといけない為
史華を探す時間はなかった。

海愛は、施設で同い年の風香と
直ぐに仲良くなり
九年を養護施設で過ごした。

海愛は、小さいときから
母親と恩師以外との接触を
してこなかったからか
人に対して怖い?
いや、興味がない。

大賀から隠れるのに
仕方ない事だったが・・・

小学校、中学校では、
親のいない二人を回りは
いじめたり、哀れみでみたり
したらしいが、
二人だから乗り切れたみたいだ。

そんな二人が、中学三年の終わりに
海愛を引き取りたいと言う夫婦が
現れた。
安西さん夫婦は、安西財閥の経営者だ。
申し分ないが、海愛の背中の傷を
知ると奥様が可哀相過ぎて無理だと
いいだして、風香の方を
引き取る事になった。

風香は、すごく喜んで
大はしゃぎだった。

そんな風香を海愛は、
嬉しそうに見ていた。

海愛は、看護師になりたくて
全寮制の高校に入り
そのまま看護学校に進む事を
私と何度も話して決めた。

費用の心配をしていたが
母親の史華が残してくれたから
心配ないと話していた。

史華には、
「あの時の傷のせいで
海愛は、愛情ある親子として
生活できるかもしれなかったのに
養子縁組は、出来なかったよ
これを知って、貴方は悲しんでいるかな。」
と、ひとりごち・・。
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