取り戻したい・・愛

✫✫風香



養父と養母が計画をたててくれた。

まあ、一度だけ一緒に会食をする
だけみたいだ。

お養母様には、
「一度、風香ちゃんに
会えばきっと気にいりますよ。
間違いない。」
と、言われた。

お養父様は、
「一度は席をもうける
だが、彼に決めた人が
いるみたいだから
後は、風香しだいだな。
お互いの会社には、
影響はないが、大人の行動をな。」
「はい。
お養父様、お養母様
ありがとうございます。」
と、言った。

当日、会食の場には
陽翔様と青柳さんが見えた。
こちらは、私達三人が出向いた。

食事中は、
終始陽翔様は、お養父様と仕事の話をして
私とお養母様は青柳さんと
話をした。

青柳さんは、弁護士さんと秘書さんだからか
話も豊富で対応も素晴らしい。

あっと、言う間に
帰宅時間になり
お店をでるときに
私がつまづいて
陽翔様に支えてもらった。
お礼を言ったが
陽翔様からは何もなかった。

そして、お養父様が
「大賀さん、本日はありがとう。
とても、楽しい時間でした。
若いのにやり手だとは、
聞いていたが素晴らしいよ。」
と、言うと
「ありがとうございます。
まだまだ、若輩者でございますから
精進して参ります。」
と、父に頭を下げた後
私に向い
「私には、心から愛する女性が
います。その女性以外に
私の興味はありません。
申し訳ありません。」
と、言った。

お養母様が、何かをいいかけたが
お養父様が手で静止した。

陽翔様と青柳さんは、
お辞儀をして去って行った。

青柳は、
「お疲れ様です。
上出来です。
これで動きが、あれば会長に
お伝えします。
でも、陽翔さんの
お相手の方を私は、知らないのですが、
まだ、会わせてもらえないのですか?」
と、言うと
「ああ?見せねぇ
海愛が減る。」
「なっ、バカな事を。
ですが、やはり一度お会いしたい。」
と、言うから
「そのうちな。」
と、話ながら帰った。



それを、風香は立ち聞きをしていた。

やはり、もう一度と
思って、お願いに戻ったとき
聞こえた。
『・・・海愛?えっ、あの海愛
   じゃないよね』
と、思いながら養父様達の元に戻った。

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