取り戻したい・・愛

✫✫あなたの犠牲


久しぶりの風香は、
綺麗になっていて
びっくりしたが
思わず抱き締めていた。

風香も抱き締め返してくれた。

それから、会えなかった日々の
色んな話をした。

すると、風香が
「海愛、私に陽翔さんを譲って、」
「えっ、陽翔さんって?」
「大賀コンツェルンの陽翔さんよ。」
「えっ?なぜ、風香が陽翔さんを。」
「なぜって、私は安西財閥の娘よ。
お養父様の会社関連のパーティーで
陽翔さんとお会いしたの
それで一緒に会食をしたの
陽翔さんから聞いてない?」

「ああ・・あの安西さんとは・・
・・風香のお宅とは
    思っていなかった。」

「陽翔さんにとっても
海愛と一緒になるより
私との方が会社にも利益あると思うの。
それに、小さいとき
ずっと私が、海愛を助けてきたじゃない
今度は、私を助けてよ。

私の初めての恋なの
陽翔さんとうまく行かないときは、
お養父様のいいつけで
他の方と結婚しないといけないの。
だからね、お願い
海愛!!
私は、陽翔さんと結婚したいの。
今日は帰るけど
良い返事待ってるから。」
と、言って
風香は帰って行った。

海愛は、何日も考えて悩んでいた。

だが、仕事ではミスは出来ないから
仕事に集中しようと
毎日、気持ちをはりつめて頑張った。

何日か考えたが
やはり、陽翔さんから
離れることは出来ないと思い
風香に連絡すると・・・・

風香は、また病院に表れて
「なぜ、なにもないあなたより
私の方が陽翔さんは
幸せになるのよ。

あなたさえ、陽翔さんのそばから
いなくなれば陽翔さんも
忘れて私に落ち着くはず。」
と、言った。

「風香の願いなら
なんでもきいてあげたい。
私のできることなら
でも、陽翔さんだけは・・」

「なにが、なんでもよ。
綺麗事じゃない。
だいたい、私が貴方に連絡しなくなったのも
あなたのせいなんだから。

高校生の時、聞いたの
安西の両親は初めは、あなたを海愛を
養女にするつもりだった。
でも、あなたの背中の傷をみて
お養母様が、あまりにも可哀相だからと
私になったのよ。
その時の私の気持ちわかる?

安西の両親から望まれて
養女になったと思っていたのに
海愛のおこぼれと
わかった時の私の気持ちが。

私は、その日から
安西の両親をさけ
自分の力だけでアパレル業界に
入り頑張って、頑張って
今の地位まできたの。

あなたの犠牲になってきたのよ。
いいじゃない、あなたも
私のために、何かしてくれても。」
と、訴えながら
涙を流す風香に
海愛は、堪らなくなり・・・

「明日、返事をする」
と、言って
その場から離れた。
< 51 / 91 >

この作品をシェア

pagetop