取り戻したい・・愛
11 帰省

✫✫陽子



大賀の噂を耳にしながら
海愛の連絡を待ち
毎日を過ごした。

日々、忙しいお陰で
一日、一日が、過ぎるのは早かった。

そんな日々の中
恩師から手紙がきた。

そこには・・・

海愛ちゃんが到着しました。
史華ちゃんが生き返ったかと
思ったよ。

とても元気だよ。
島の病院で働いている。
海翔(かいと)君も
とても可愛くて
島の人気ものだよ。
まもなく3才になる。

と、書かれていた。

私は、直ぐに電話をして
恩師にお礼を言って
海愛に仕事が終わり次第
連絡くれるように頼んだ。

その夜、海愛から連絡があった。

「陽子先生、ご無沙汰してます。」
「全く、あなたって子は。
どれだけ心配したと。
まあ、元気なら良かった。」
「心配かけてごめんなさい。」
「で、海翔は、陽翔君の子?」
「はい。日本を離れて、
しばらくしたとき
分かりました。
でも、回りの人達に助けてもらい
無事に産むことができました。
すごく、良い子なんです。」
「全く、史華と同じ事言ってる。
で、海愛、あなた今からどうするの?」
「私、この島でずっと過ごしたい。」
「風香達親子は日本を離れたよ。」
「えっ、なぜ?」
「陽翔君の逆鱗に触れてね
まあ、潰されなかっただけ
良かったんじゃない。
出国前に風香達にあったけど
良い親子になっていたわ。」
「それを聞いて、ホッとしました。
それで陽翔さんは?」
「陽翔君は、人間じゃなくなってる
と、噂されてるよ。」
「・・人間じゃ・・ない?
私のせいですね?」
「違うとは、言えないかな。」
「先生、私・・どうしょう?
どうしたら?」
「まあ、しばらくは、
そこの暮らしを満喫しなさい。」
「・・はいっ・・」

陽子は、電話を切り
それから一週間後に
陽翔に連絡した。
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