取り戻したい・・愛

✫✫トラウマ


陽翔は、陽子に
「陽子さん。
海愛には、何かあるのですか?」
と、訊ねた。

陽子は、しばらくうつむいていたが
「海愛の背中の傷は、この人の奥さんが
瓶を投げてなったのは、話したよね。

その時かなりの出血でね
なん針も縫ったの。
一才の小さな海愛の背中は、
ほとんど裂けていた
と言っても良いぐらいの
大怪我だったの。

意識を戻しからは、
痛みに泣いて
キズの消毒で泣いて
ガーゼの張り替えで泣いて
痛みが酷くて·····
看護師さんが来るだけでも
泣いていたの

本当に辛い思いをしたの
一歳の·····子供が·····よ。
だから、瓶をみると怖がったり
あの女が、すごい形相だったからか
異様な状態の女の人をみると
背中に痛みがでるの。

それは、精神的なもので
トラウマになっているのではないかと。

史華は、自分のせいだと責めてね。

そんな史華を小さな海愛は
自分のせいで、大好きなママが
苦しんでいると思って
平気な振りをしていたの
でも、やはり・・倒れたりしてね。

だから、私と史華は、
少しずつ、少しずつ、
瓶に対しての恐怖をならしていき
女の人にも、恐怖をもたないように
してきたの。

それは、史華がなくなっても
ずっとリハビリしてきたのよ。
でも、やはり本人とあったんじゃ」
と、首をふりながら
黙ってしまった。

親父も、頭を下げたまま
「すまない」と。

「史華は、
あなたとあの人が離婚することを
望まなかったのだから
陽翔君と一緒になるなら
海愛は、いつかはあの人に会うのは、
わかっていたこと。
だから、あなたを責めても仕方ない。」
と、言った。
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