取り戻したい・・愛

✫✫海愛の道


 海愛は、全寮制の高校に入り
頑張っていた。

元々、成績の良い海愛は、
入学式も新入生代表をつとめ
特待生となっている。
お金に困っているわけではないが
お母さんが、私に貯めてくれた
お金だから大事に大切に使いたい
と、考えていた。

海愛は、幼い頃から
物静かで、人との関わりが苦手。
心を許した人以外と親しくなれない。

だけど、やさしい性格だから
患者さんとの関わりは
大丈夫。

そんな海愛は、特に問題もなく
高校の三年間は過ぎて行った。

高校は、特待生クラスにいたため
他の生徒に会うこともなく
クラスと寮が隣接していたのも
良かった。

勉強にも集中でき
寮も居心地の良い空間と
なっていた。

だが、施設の陽子先生とは、
必ず週一回は連絡をして
話をした。

海愛にとって陽子は
なくてはならない存在だった。

風香とも連絡を取り合っていた。

一年の時は、外でたまにあったりも。
風香は、着ている服装も雰囲気も
かわっていた。
最初から、お嬢様だったような。
幸せそうで安心していた。

両親も優しいと話していたが
社交界に出るために
習い事が、大変といいながら
楽しそうだった。

だけど、高校三年になったあたりから
風香と連絡が取れなくなった。

ラインや電話をしても
全く、返事がなくて
陽子先生にも相談したりしていた。

陽子先生も安西さんに
連絡してみると
言ってくれたが・・・
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