おはようからおやすみまで蕩けさせて
「津田ちゃん、ごめんね…」


商談が終わった後、紙コップに入ったコーヒーを持ってきた彼女に謝った。


「昨日も今日もダメダメで…」


目の前にある商品がいい物に見えないのに、だからと言って何処が悪いとも言えない。
津田ちゃんは椅子を引いて前に座った。
私の顔をチラッと見て、困ったように微笑んだ。


「いいですよ、…と言ってあげたいんですけど、やっぱりちょっと心配です」


津田ちゃんはキュッと唇を噛むと眉間に皺を寄せる。
ジーッと見つめられていると、益々自信が無くなってきそうだ。


「な…何が?」


ドキン…と胸の音を聞きながら苦笑い。
津田ちゃんは私の顔から視線を逸らし、紙コップの中身を一口飲んだ。


「…プライベートの質問をするのもいけないかと思って我慢してたんですけど、今は敢えて伺います」


前置きをした彼女が紙コップをテーブルに置く。
視線が向け直され、その目元を見てたら、スッと息を吸い込んでから話しだした。


「近頃の天宮さんは少しヘンです。何か悩みでもあるんですか?」


ドキッとする質問をした後で、津田ちゃんは大きく息を吐く。
目線を紙コップの中に戻し、見つめながら続ける。


「最初はリーダーになって大変なんだろうなと思ってました。私達には分からない悩みがあるんだろうって。

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