苦い蜂蜜
喧嘩
研究室の仕事を終えて、先に帰っていると真山さんが後ろから走ってきた。

「真山さん!忙しそうだったので先に帰ろうと思って。」

ーなんで先行ってるんだよ、伽耶ちゃん。笑
実は伽耶ちゃんについて来てもらいたいところがあって。

それから真山さんは明日まひろが誕生日であることを言った。プレゼント一緒に買いに行こうって。もちろん私もついていくけれどまひろが何欲しいかなんて全く分からなかった。

ー伽耶ちゃんは何かまひろにあげるの?

「い、いや何も考えてなくって。ごめんなさい。誕生日のことも今知ったばっかりで。」


ほんとまひろはどーでもいい事は長々と喋るくせに自分の話は全くしない。変わった奴なのだ。それに、最近はまひろの仕事と私の仕事がすれ違ってるから朝しか話せないし。

ー伽耶ちゃんは友達だもんね笑、だんだんまひろのこと知っていくよ。あいつ自分のことは話そうとしないからさ。

さすが、真山さん。的確なコメント。

それから私たちはまひろに財布とロングカーディガンを買った。
クリスマスが近いのもあって、カップルですか?と、たくさんのお店の人に言われた。否定するのも面倒になって私たちは愛想笑いでその場を繕った。

「私達カップルにみえるんですね?」


横を歩く真山さんに冗談のつもりで言ったのに真山さんは笑って私の手を握った。

ー寒いからあっためてよ。伽耶ちゃん。

それが冗談であることくらい分かってたけれど冷たい真山さんの右手を握った。

やっぱりダメだ。真山さんを見てると、どうしても先生を思い出してしまう。
この優しい笑顔が私の辛い現実の逃げ道だった。タイミングをなくして私達は帰るまでずっと手を繋いでいた。

帰ってからしばらくして、まひろが帰ってきた。みんなで夜の12時過ぎなのにまひろのお祝いをした。

まひろは分かってたのか今日は仕事を休んだらしい。

プレゼントも喜んでくれた。なのに




どうして私に少し冷たいんだろう。。。
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