【完】君しか見えない
楓くんがリビングに戻ると、私は早速ハヤシライス作りに取り掛かった。
引かれるほどに不器用な私だけど、料理だけは得意だ。
特に、ハヤシライスは。
なんてったって、お母さんに一番初めに仕込まれたレシピだから。
それで楓くんにも振る舞ったら、「美味しい」ってとろけるような笑顔で言ってもらえて、さらにハヤシライス作りを極めた。
楓くんの大好物と私の得意料理が、偶然ハヤシライスで一致したのだ。