【完】君しか見えない
黒瀬くんはぶんぶんと手を振りながら、嬉しそうにこちらへ駆け寄ってくる。
「げってなんだよ、げって〜。
偶然だなぁ!」
「なんで黒瀬がこんなど田舎にいんの?」
「バスケ部の先輩がここら辺に住んでてさ。
そういえば、三好ん家もここら辺だったな。
三好こそ、なにやってたんだよー」
「なにってデートだけど」
「へ? だれと?」
きょとんとする黒瀬くんに、呆れたように返す楓くん。
「見ればわかるじゃん、十羽とだよ」