【完】君しか見えない
十羽が入院していたのは、地元では見たことがないほど大きな病院だった。
病院に着くと千隼くんは走るのをやめ、それでも早足で脇目も振らず、病院の中を進んでいく。
多くの人たちとすれ違いながら、病室棟の5階にやって来た。
エレベーターを降り、廊下を進んで行くと、一番奥の病室の前で千隼くんが立ち止まった。
「ここだよ」
見れば、ネームプレートにも大園十羽の文字がある。
ネームプレートの形からして、個室のようだった。