【完】君しか見えない
眠っている楓くんの顔を見つめていた私は、気づけば涙をこぼしていた。
私は……こんな体になってしまった。
いつ死んでもおかしくない。
いつ重体の体が限界を迎えるかわからない。
だれにも見えない、霊になってしまった。
運ばれた病院で、医師も両親に説明していた。
「いつなにがあってもおかしくない状態です」と。
会いにきたはずなのに、どうしてこんなことになってしまったんだろう。
クリスマスイブの今日だって、隣にいてあげたかったのに。