【完】もう一度、キミのとなりで。
バイバイしてからもなんだか胸の高鳴りがおさまらない。
さっきまでの出来事が嘘みたいで、いまだに現実味が湧かなかった。
本当に偶然が重なっただけなんだろうけど……不思議。
こんなふうに碧空くんとまた普通に話せる日が来るなんて思わなかったから。
なにはともあれ、よかったなぁ……。
自転車の鍵を外して、自転車置き場のゲートの外まで引いていく。
そして、広い道に出てからサドルにまたがろうとしたら、ふと自転車の前輪の下あたりに何か四角いものが落ちている事に気が付いた。
……あれ、これは?
自転車を一度停めて、拾い上げてみる。
見てみるとそれは、茶色の革製のパスケースのようだった。
落し物かな?
定期だったら駅に届けたほうがいいよね?
裏返して中を覗いてをみると、そこには一枚の白いカードが。