円舞曲はあなたの腕の中で~お嬢様、メイドになって舞踏会に潜入する~
「ちょと待って」
トーマスがすっと立ち上がって、
軽くエリノアを抱いた。
お休みと、軽く頬にキスをして、
「また、明日会えるかな?」
と、熱っぽく言った。
「もちろん」
エリノアも、
彼に負けないように熱を込めて言った。
メアリーは、目を見張った。
たった、数時間でどうなってるの?
姉妹は、早速部屋に戻ると、
お互いにいっぺんに話し出した。
「エリノア!どういうこと?」
喜びよりも、不安を感じていた。
メアリーは心配しながら言う。
そして、同じようにエリノアを、
心配しながら見ていたウィリアムのことも、頭に置いていた。
エリノアは、そんなことに構わす話す。
「そうなの。メアリー。
人と話していて、こんなに楽しかった
ことなんてないわ。何時間でも話していられるの。不思議ね」
「エリノアったら、
その人のこと好きなの?」
「好きっていうか。とっても楽しいの。
話していると、次に話したいことがいくらでも出て来て」