円舞曲はあなたの腕の中で~お嬢様、メイドになって舞踏会に潜入する~
彼との話は尽きなく、
時間の経つのも忘れた。

体も冷えて来て、二人はホールに戻った。

エリノアの手が、
すっかり冷たくなっていて、
それを見たトーマスが、自分の胸の前で両手で包んで温めた。

ずっと、エリノアを探していたメアリーが二人の姿に気が付いた。

メアリーは、すぐに、
エリノアに近づいていった。

「二人とも、ずいぶん
楽しそうに話してるのね」

「ええ、いろんな話をしているのとっても楽しいわ」

「少し場所を移動しない?
お腹空いたでしょう?」

ダンスを踊るフロアの横に、サンドウィッチなどの軽食を食べるスペースがあった。

メアリーは、
二人をそこまで連れて行った。

メアリーは、お腹が満たされると
エリノアに言った。

「ねえ、エリノア?ずいぶん疲れたわ。
踊るのは、また明日にしない?」


「ええ。そうね」

「じゃあ、部屋に戻りましょう」

エリノアは名残惜しそうに立ち上がった。

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