最初で最後の『大嫌いっ…!』
彼の心。
『おい』

教室を出て図書室に向かう途中、聞き覚えのない声が私の足を止める。

振り返ると背丈が私より少し高い男子生徒が立っていた。

『……んっ』

彼の手には私のハンカチがあった。

『あっ…ありがとう』

ハンカチを押し付けるように私に渡すと彼は、早歩きでこの場を去る。

『ちょっとっ!』

(今の彼、青色のネクタイだったから1年生!?)

なんとか彼に追い付くと無意識に彼の腕を掴んでいた。

ガシッ

『あんた』

『力強いね』

振り返った彼の表情はさっきの無表情キャラとは大きく違い、「近寄るな」というオーラが全面に出ている。

『・・・あの』

『・・・・。』

彼は答えず再び背を向け歩き出す。
























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