BAD & BAD【Ⅱ】
今度からハンカチを常備しておこうと、しみじみ反省しながら、師匠の目の前に座り込んだ。
「師匠!これで、涙を拭いてください」
「さも自分のハンカチのように渡すな」
たかやんのツッコミをあしらい、俯く師匠に見えるようにハンカチを差し出したら。
ちょうどよくハンカチの上に、涙がポタッと落ちてきた。
師匠は、視界に突然入ってきたハンカチに少し驚きながら、たどたどしく顔を上げた。
師匠の濡れた瞳が、案じている私達を、ゆっくりゆっくり見渡していく。
さっきまで、師匠は下しか向いていなくて、完全に周りが見えていなかった。
私達がこんなに師匠を想って、そばで支えようとしていたことにさえ、気づいていなかった。
けれど、やっと、盲目状態にしていた、透明な目隠しが外れた。
私達のこと、よく見えていますか?
「キラキラしてる……」
「それは涙のせいじゃないですかね」
もしかしなくても、フィルターがかかってますね?
これっぽっちもキラキラしてませんよ。むしろグダグダしてますよ。主に弘也が。