BAD & BAD【Ⅱ】




なんとなく、たかやんにうんざりされたのを感じて、眉をピクリと動かす。


なんだかムカムカしてきて、否応無しに夢の世界から追い出されていく。



あああっ、待って待って!



お願い、もう少し夢を見させて。


夢の世界を追放されたくない。

静かに寝ていたいのー!




「いい加減起きろよ、バカザル」


「あっさでっすよーん!」


「幸珀!起きて、幸珀!こ・は・くー!!」



いった。痛い、痛い!


私を足蹴にしてるのは、誰!?



可憐な乙女を蹴るなんて、最低極まりない!よくそんなことができるね。犯人は絶対にモテないんだろうな。



背中、あの、蹴んな……痛っ。

いっ、痛い、痛いって!



だーかーらー、

「蹴んじゃねぇっつってんだろうが!!」




「……おっ、やっと起きた~」



怒鳴りながら飛び起きたら、弘也がため息混じりに呟いた。


お前か、弘也。私を蹴ってたのは。



「そろそろ、私のこと女の子扱いして!?」


「幸珀がおっさんみたいに、こんなとこでいびきかきながら大の字で寝てたら、そりゃ女の子扱いなんてできないでしょうよ」


「誰がおっさんだ、このクソボケナル男」




< 230 / 730 >

この作品をシェア

pagetop