BAD & BAD【Ⅱ】
症状ロデオ
きっと、いつもより晴れ晴れとした今日は
師匠にとって、大切な日になる。
……ん?
なんだろう。すごく騒々しい。
「幸珀!こ・は・く!!」
誰かに大声で、名前を呼ばれてるような気が……。
この声は、師匠?
ちょっと、静かにしてください。
私はまだ寝ていたいんです。私の睡眠を妨げないでください。
「起きろ、サル」
「鷹也、もうこいつのことはほっといて、昼飯食べちゃおうよ~」
「でもよ、こいつが扉の前で爆睡してて、邪魔なんだよ」
「あー、それはある。超邪魔」
刺々しい会話が鬱陶しくて、ごろんと寝返りを打った。
私はゲームのしすぎで寝不足なんだから、ゆっくり寝かせてほしい。
「つーか、こいつ、いつまで寝てるつもりだよ。もう昼過ぎだぞ?」
「京はとっくに起きてるのにねぇ」
「えへへ。俺、早起き得意なんだよ」
「へぇ、そうなんだ~、すごいねぇ!僕はどっちかといえば、苦手かなあ」
「京を見習ってほしいぜ、まったく……」