BAD & BAD【Ⅱ】
イッショニカエル?
バカじゃないの。
「善兄はもういないんだから、一緒に帰る意味なくない?あ、もしかして、私と帰るのに慣れて、私いないと寂しくなっちゃった?」
「んなわけあるか、ボケ」
なんだ、違うのか。
まあ、寂しいって言われても、キモいとしか思わなかっただろうな。言われなくてホッとした。
「俺だってな、お前より可愛い子と帰りてぇよ」
「じゃあそうすればいいじゃん」
私より可愛い子が見つかるかどうかは、わからないけど。
愛想のない対応をすれば、朔は「だけどな」とため息まじりに呟いた。
「聞いて驚け、実は兄貴はまだこの街にいやがります」
「っ!!??」
な、なんだって!?
驚きすぎて、持っていたノートが手の中から滑り落ちちゃったよ。