BAD & BAD【Ⅱ】




イッショニカエル?

バカじゃないの。



「善兄はもういないんだから、一緒に帰る意味なくない?あ、もしかして、私と帰るのに慣れて、私いないと寂しくなっちゃった?」


「んなわけあるか、ボケ」



なんだ、違うのか。


まあ、寂しいって言われても、キモいとしか思わなかっただろうな。言われなくてホッとした。



「俺だってな、お前より可愛い子と帰りてぇよ」


「じゃあそうすればいいじゃん」



私より可愛い子が見つかるかどうかは、わからないけど。




愛想のない対応をすれば、朔は「だけどな」とため息まじりに呟いた。



「聞いて驚け、実は兄貴はまだこの街にいやがります」


「っ!!??」



な、なんだって!?


驚きすぎて、持っていたノートが手の中から滑り落ちちゃったよ。



< 374 / 730 >

この作品をシェア

pagetop