BAD & BAD【Ⅱ】




うぅ、私も手巻き寿司食べたい。

たまり場に行く気失せた。



「幸珀ちゃん、用事でもあるの?」


「用事というかなんというか……」


「幸珀ちゃんも一緒に食べましょうよ」



いちごさん、聞いてないんだ。私が不良になったこと。



たまり場に行くのは用事というより、退屈しのぎと言った方が正しい気がする。


やっぱりたまり場に行くのやめて、手巻き寿司食べようかな。そっちのが絶対いいよね、うんうん。



「夕飯時になったら善もここに来るわよ」


「実は急ぎの用事があるのでやめときます」



それを早く言ってくれ。



夕飯が豪勢な手巻き寿司だろうと、善兄が来るなら即刻却下だ。


善兄と食事なんかしたくない。美味しいものも美味しくなくなる。心地悪すぎて味がしない。



善兄が来なければ、私も手巻き寿司にありつけただろうに。悔しい。ここはあきらめるしかないな。




そして、私は肩を落としてがっかりしながら、自分の部屋に行った。



< 392 / 730 >

この作品をシェア

pagetop