彼女の真実
序章
「きゃー」

多くの人の悲鳴、群がる人

人通りの多い街中、天気の良いにぎやかなあの場所で人が死ぬなんて誰が思ったのだろう

私の目の前には血まみれで笑顔の男、その手には血のついた包丁。そして、その男に刺されて倒れている私の両親

そこに駆けつけるパトカー、救急車のサイレンの音、人々のどよめき

そのどれもが私の耳には入らない。ただ、目の前のこの状況だけを見つめる

どうして、私の両親は殺されなきゃ行けなかったのだろう

当時、10歳だった私は両親を殺したあの男も、その男を逮捕できなかった警察にも許せなかった


そしてあの時、あの瞬間から私の体には異変が起きた

そう、あの時から...


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