彼女の真実

出会い

「今日から捜査一課に配属になった高橋悠人です。よろしくお願いします!」

今日から捜査一課に配属になるということが未だに実感できないが、嬉しいのは確かだ。

「あー、君が高橋くんね。君の課長になる杉本です。よろしく。」

課長という立ち位置にいるのか心配になるくらいおおらかな人だ。警察の人間なのか疑いたくなるほどに。

「はい!」

返事をすると杉本さんは柔らかに微笑んだ。
すごくいい人そうだ。

「元気でなによりだ。じゃぁ、いろいろ説明するね。ここの一課では2人1組で行動するのが原則になっている。パートナーは、もう決まってるんだ。」

警察学校の時も2人1組で行動するのが原則だと習った。
どんなヤツがパートナーかわからないがうまくやっていけるといいな。

「ところで、そのパートナーは今どこに?今日は休みなんですか?」

そう言うと、杉本課長は苦笑いをしながらありえないことを口にした。

「いや〜、まだ来てないんだよね。彼女。いつも遅刻してるんだけどね。」

ん?どういうことなんだ?
俺のパートナーは女で、しかもいつも遅刻してる!?ありえない。そんなヤツと一緒に行動するなんて無理だ。

「あの、どうしてもその方とパートナーじゃなければいけないんですか?」
そんなヤツとパートナーなんて絶対に嫌だ!

「ん〜、そうは言ってもね。上が決めたことだし、しょうがないよ。そんなに悪い子じゃないしさ。まぁ、仲良くやってよ。一課の中では1番事件を解決してるしさ。仕事はできるから。」

本当にそんなヤツが仕事なんてできるのか?
まず、女ってだけでも心配なのに。
てか、上が決めたって嫌がらせかよ。俺は何もしてないだろ!

「はぁ〜。わかりました。」

もう、何を言ってもソイツとパートナーなのは変わらないのならしょうがない。仕事ができるならまぁ、なんとかなるか。

しかし、この時の俺の考えを覆すほど彼女はひどかった。







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