あの夏をもう1度
「あー!あいいたー!」



ほっとしたような声で近づいてくる女のひとの足音。



振り向くとすごく綺麗な女の人がいた。


あたしたにより年上に見える



「あぁ。この子たちが見ててくれたみたい」



駿太があいちゃんをその女性に渡す。



「あら!ありがとうございます!」



あたしたちにぺこりと頭を下げる。



「いえ、ただ一緒にいただけなので」



あたしはそれだけ言ってその場から逃げようとする。



「沙耶、待てよ」



あたしを止めたのは圭太。



「説明されてねーじゃん」


「いいよ。圭太」


「よくねーだろ。どう考えても」


「もういいの!」



あたしは圭太の手を握って歩き出す。


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