俺を好きになってよ。

目の前には背の高い男の人が。
多分顔からみて私と同じくらいなのかなって思った。

私が想像してたのと違う。

私が想像してたのは、小さくて、声が高くて、可愛くて……

「あら〜!優人くん、こんなに大きくなって〜!しかも、かっこよくなって!」

「いえいえ、あ、これ…つまらない物ですが」

お母さんとその人のやりとりを呆然と見る。

「ほら〜凛月?ちゃんと挨拶しなさい!」

「…凛月?……え、凛月だったの!?」

「てことは、ゆうちゃん!?」


え、全然分かんない!!最初、京子さんこんな大きい子供いたんだって思ったもん!!

ゆうちゃん以外にも子供いたんだって思ったもん!


「久しぶりだな〜!凛月!美人になって!」

「そんな事ないから!ゆうちゃんこそカッコよくなったよね!背も高くて!」


ゆうちゃんこと優人くん。
いとこでもあるし、幼なじみでもある、同い年。

小学校のころは泣き虫で男なのにナヨナヨしてて背も小さくて…そんなゆうちゃんを守るのが私の役目だったのに。


こんなにカッコよくなるなんて…!

あ、でも笑顔は昔と変わらず可愛い…




…あれ?






「ねぇ…ゆうちゃん、私達って…海で…」

「え!やっぱり、あれ凛月だったの!?」


やっぱり会ってた!!
私が海でナンパされた時に助けてくれたんだった!!

全然分かんなかったよ!!



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