君が信じてくれたから
綺「取り敢えず、簡潔に言うとー…私は組長の孫なんだよね。」
透「…端折りすぎじゃない?」
綺「まーまー。…で、その組長っていうが新条組の組長でね。私は新条組の跡継ぎなんだ。」
透「なーるほど。だから殺気も出せるし喧嘩も強いと……。」
綺「そそ。そんで、なんで私が?ってことなんだけど、お父さんは私が6歳の時に抗争で亡くなっちゃって、お母さんは元々病気でお父さんが亡くなってすぐ死んじゃって……。」
きっと、悲しみとストレスから。
綺「私が支えなきゃいけなかったのにね……。」
透「……綺羅、泣いてもいいよ。」
……なんで、わかるかなぁ。
でも……まだ泣けない。
綺「…大丈夫。もうちょっと頑張る。」
透哉はそう言った私の手を握ってくれた。
私も握り返す。
綺「それで私、おじいちゃんの…組長の事支えるって決めたんだ。だから、中学までは本家で鍛えてた。私は高校に入っても鍛えるつもりだったんだけど、組長に高校は楽しめ、って言われて今は自主トレ期間。きっと、組長は中学の時に私が周りから避けられてたって気づいてたのかもね…。だから、私は組長が大好きで着いていきたいって思ったんだ。」
組長は強くて優しくて私の憧れで大好きな人。
だから迷わない。
組長の為にも。私の為にも。
真っ直ぐ透哉の目を見て答える。
透「そっか……。やっぱ綺羅は優しくて強いね。惚れ直しちゃった。」
透哉にそう言ってもらえると嬉しいな…。
綺「へへ…ありがと。」