空に咲く花とキミを
「直くん……直くん…!」

「…無理、起きれねー。」

翌朝、直くんはなかなか布団から起きてこなかった。

それもそのはず、昨日はあれから近くのスナックへ行き、閉店する午前1時まで飲み続けていたのだから。

近くのスナックとは、この町に来た日に初めて行った、年配の夫婦が経営するスナックのことで、直くんのお気に入りでもあった。

だから、次の日も仕事だということを知ったお店のママが帰るように促しても、大丈夫だと言って全く聞こうとしなかった。

「でも…遅刻しちゃうよ?」

「とにかくオレは無理。頭が割れそうなんだ…オマエ1人で行けよ。」

「わかったよ…。」

頭が割れそうだなんて大げさな……あたしは直くんを置いて仕事に行くことにした。

「華、松井さんに休むって言っといて。」

「……うん。」

都合の悪いことは、いつもあたしに押し付ける直くん。

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