星降る丘でキミを憶う
「いいのよー。この子が留守のおかげでお父さんとゆっくり食事ができたわ」
「私がいたってゆっくり食べれるでしょ」
「騒がしいのよ、あんたは」
「おやすみなさい」
「気をつけて帰ってね」
おばさんの言葉に会釈で返し自転車の向きを変えてからペダルを踏む。
「春ー!また明日ねー!」
「凪、声大きいわよ」
凪とおばさんのやりとりを後ろに聞きながら、注意する人がいて良かったなんて思いながら、薄暗い坂道を家に向かって進んだ。