そのキスで、覚えさせて
「父親役やると、マジで子供が欲しくなるし。
艶提供の曲だし。
ギター出来ねぇし。
マジ拷問」
あたしにとっては羨ましくても、遥希にとっては辛いこともある。
だから一人で浮かれてはいけないと思った。
ましてや、碧に抱かれたいだなんて……
考えを改めようと思ったあたしの耳に、理性を吹っ飛ばす声が聞こえた。
「どうしようもなくて、賢一に相談した。
そうしたら、碧に教えてもらえって」
「えぇッ!?」
「碧を紹介してくれた」