そのキスで、覚えさせて
だけど今日の泉は、珍しくあたしの彼氏に興味を示す。
「美咲、新しい彼氏とはどうなの?」
どきりとする。
もちろん、遥希とは順調なのだが、泉に話すのはなんだか怖い。
だからあたしは、
「特に何もなくだよ。美咲は?」
極力あたしの話を避ける。
それでも、
「美咲の彼氏、遥希似なんだよね?」
まだまだ興味を示されて、
「えっ……うん……まぁ……」
濁してしまった。
やっぱり、本当のことは言えなかった。
そしてこれから言うこともないのかもしれない。
そいつ、マジで友達なの?
遥希の言葉がぐっと胸に沁みた。