そのキスで、覚えさせて
そんなあたしの本心なんて、泉はもちろん知らない。
あたしに衝撃的なことを言う。
「ダブルデートしない?」
「え?」
「ほら!あたし、美咲の彼氏に会ってみたいし!
本当に遥希に似てるか見たいし」
「かっ彼、多忙だから!!」
慌てて断った。
泉には絶対会わせたくない。
だって……
遥希に似ているんじゃない、遥希だもん!
もし泉に知られたら、泉は絶対に怒る。
許さないって言う。
だから、必死に言い訳を探した。
「彼、多忙だし人見知りだし!
だから来れないと思う!」
それでも泉は諦めてくれなくて。
「彼氏に聞いてみて」
なんて言ってきた。