そのキスで、覚えさせて
だけど……
「美咲ちゃん、相変わらず人付き合い悪いね」
男性はしつこかった。
「もう一軒飲みに行こうよ!」
あたしのブラウスを容赦なく引っ張る。
「彼氏いるので、あなたとは付き合えません!」
「酷いなあ。
それに俺はあなたじゃなくて、瀬川!」
あたしは、勝手に自己紹介した瀬川さんを睨んだ。
しつこい男は嫌なんだから!
だけど、
「痺れるな、その目つき」
なんて変態発言されて。
思わず身震いした。
瀬川さんは相当酔っているらしい。
きっと、理性が効かないんだ。
ここは、逃げるが勝ち!
そう思った時、
「その人、俺の知り合いの彼女だけど」
男性の声が聞こえた。