sugar days〜弁護士のカレは愛情過多〜





綾辻さんの腕の中で、くたりと横たわるベッドの上。

彼はがっちり私に腕を回したままで眠りに落ちてしまったため、抜け出すことができない。


「……ま、いっか」


ふと視線を動かした先の窓に広がる景色は、ここへ来たばかりの頃よりずっと暗くなっていた。

オフィスビルの明かりは消えていき、道路を走る車の量も減った。そして、今夜は月明かりもない。

たしか綾辻さんが新月って言ってたっけ……なんだか、からっぽの心を抱えた今の私と似てる。

でも、いつかは丸々輝ける月と違って、この心が満たされる日が来るとは思えない。


『今日がゼロとして……これから徐々に千那の心に入り込みたいと思ってるんだけど、いい?』


綾辻さんはさっきそんなことを言っていたけど、本気なのかな。

いやいや、セックスの最中のノリで出ただけかもしれないし、深く考えるだけ無駄だよね。



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