【完】天使くん!これは友情ですか?恋ですか!?
天使くんを信じたい
* * *
「38度あるな」
「……うおぉぉ、マジか。風邪とか小学生以来だよ、最悪だよ、熱いし、アイス買ってきてよ兄貴」
「嘆きながら要求するな」
乱暴にタオルを乗せながら、兄貴がベッドサイドから立ち上がる。蛍(けい)兄は大学に行く直前に、私の部屋に入ってきた。
第一声は、
『夏海、朝飯作ってねぇぞ! 俺を飢え死にさせる気か!!』
なんていう優しくない言葉。
まあ、熱があって倒れているなんて知らなかったんだから仕方ないけれど。私はあんたを世話するメイドかよ。
飯くらい自分で作れるようになろうよ。あんたのお陰で、その辺の女子力は高いという何ともやるせない気分。