【完】天使くん!これは友情ですか?恋ですか!?
「だいたいな、夏海。あれだけ雨が降っていたのに、雨宿りもしないで帰ってくるなんて普通じゃないぞ」
「傘、忘れて……」
「電話すりゃいいだろ」
「……充電が……」
「帰ってすぐに雪乃ちゃんと話していただろ。あ、あの時すぐに風呂に入らなかったせいだぞ」
「涼兄が入ってたし」
「涼兄はすぐに出てきたじゃないか」
前言撤回。やっぱり寂しくない。
こうやっていつも私を責める蛍兄は嫌い。早く大学に行ってしまえ。
「夏海さ」
「なに?」
つい冷たい口調になる。それに気づかないのか、知っていて無視しているのかわからないけれど、蛍兄が睨む。
「雨の中を帰ってくる、雪乃ちゃんに電話する、涼兄に会いたいとか言って」
「だから、なに!」
「今度はなにに悩んでるわけ」
「……え」