【完】天使くん!これは友情ですか?恋ですか!?
・・・
「この学校に通う皆さんは驚かれたでしょう。私が生徒会長に立候補。女子が生徒会長だなんて、伝統を無視した行為です。伝統を重んじる高校で、ありえないことをしました。
でも、先生方は私の思いを知って認めてくださいました。本当に感謝しています。ありがとうございます」
感謝の言葉を述べ、先生たちのいる席に向かって一礼する夏海先輩。
壇上で喋る彼女は、僕の知っている人物とは違って見える。
久しぶりに見たからかもしれない。
心臓がおかしくなりそうだ。
しかも最前列の席で、夏海先輩との距離が近い。
どんな顔をしたらいいかわからない。
これは雪乃さんのせいだ。
体育館に入ってすぐ、雪乃さんに捕まってパイプ椅子が並ぶ最前列の中央に案内されてしまったから。
『春真くん。こんな形で、無理やり引っ張ってきたことは謝る。これは夏海に言われたわけじゃなく、わたしたちが勝手にやったこと。無理やりなことは今回だけ。だから、夏海の言葉を聞いて欲しいの』