【完】天使くん!これは友情ですか?恋ですか!?


 あ。あれは怒っている顔だ。



 そう思ったら、隣にいた疾風さんが笑いを堪えていた。



 確か最初の噂は、ホテルに連れ込んだだったかな。



 気にしていないとは言っていたけど、しっかり覚えていてこんな場所で言ってしまうのが夏海先輩らしい。



 思えば夏海先輩はいろんな噂に振り回されていた。




「1つ話をします。そういう素直で純粋な人の話です。仮に天使くんと言いましょう。


 自分の性格のせいで人を傷つけると自身を嫌っていました。傷つけ、傷つきたくないからと、人と距離を置いていたんです」




 いきなり心臓を掴まれたみたいに、ぎゅっと痛む。
 自分のことだと思ったら、何とも言えない哀しみに襲われた。

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