【完】天使くん!これは友情ですか?恋ですか!?


 少しずつでいいから変わって欲しいと言われて、僕には無理だと断った。



 まさか夏海先輩からそんな言葉を聞くなんて思わなかったから、怒りと悲しみでぐちゃぐちゃになってしまった。



 まだ、まともに顔が見られない。



 ふと、僕は何気なく夏海先輩の手元を見る。
 壇上に設置されたマイクを持つ手に、小さな何かがぶら下がっていた。




「ぱーぱ……」




 あれは夏海先輩とお揃いで買ったキーホルダー。
 初めて夏海先輩と水族館へデートに行き、疾風さんに出会った。



 今日も耳にピアスが……あれ? 
 今日はキラキラと輝く方を向けている。



 僕と会う時にだけ付けると言っていたグリーンのクローバー。



 それでやっと気づいた。
 今、夏海先輩は生徒会長立候補者スピーチと言いながら、僕に向けて話をしていることに。

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