【完】天使くん!これは友情ですか?恋ですか!?
今すぐに、トラウマを克服なんて無理だ。
でも僕はずっと逃げていた。
なおすつもりもなくて、人と距離を置くことが楽で、ただ甘えていただけなんだ。
夏海先輩はきっと、そんな僕を知っている。
わかっていたから、ちゃんと言葉でぶつかってきたんだ。
時間をかけてもいい。
きっと、夏海先輩は待ってくれる。
僕は――――。
「そういう言葉を伝えられる生徒会長に、私はなりたい!」
夏海先輩はやっと僕から目をそらす。
「皆さん、後ろをご覧下さい!」
夏海先輩は手のひらを体育館の後ろに向ける。
つられるように、みんなが振り返った。
だが、そこには何もない。誰もが不思議に思いながら夏海先輩の方に向き直る。