呪われ姫と強運の髭騎士

(2)

 私の結婚を喜んでくれたのは、私と離れるのが嬉しかったから?
 
 私が嫌いだったの?
 
 憎んでいたの?
 
 私、貴女に嫉妬されるような境遇なの?
 
 一緒に笑ったり泣いたり、喧嘩したり、励まし合ったり――
 
 それは全部、嘘だったの?

 
 頭の中に言葉が羅列する。

 全てパメラへの問いで。
 
 その全てを声に出すことが出来ず、ソニアはただ呆然とパメラを見つめた。
 
 彼女を見つめる瞳からは、大粒の涙が後から後から溢れては流れていく。

 ――パメラまで

(私を見ていない)
 
 このまま、私は消えた方が良いんだわ。
 
 パメラを追い込んで、こんな姿にしてしまったのは私の責任。
 
 セヴラン様も私がいなければ、財産目当てで近寄ろうとしなかっただろう。
 
 パトリス王も、何年も思い悩むことも無かっただろう。
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