呪われ姫と強運の髭騎士
番外編

こういうのも悪くないかと思ったのは気のせいだった。

(どうしてこうなった!)


 それしか言えない。
 
 ――いや、不満は色々たんまりとある。

 だけどあまりにも現状に不満がありすぎて、まずどれから自分の不満を口に出したら良いか分からない。

「セヴラン様、ちゃっちゃと歩いてください。日が暮れるまでに次の目的地にたどり着けなければ、野宿です」
 
 きびきびとした口調と同じように闊歩しているのは、我が国の特色というべき『誕生石の騎士』の一人、『アメティス』のアニエス・ベル。
 
 城から出てからというものの、ずっと僕の背後に付いていて非常に鬱陶しい。
 
 この厳しい口調に合う凄みのある金髪美人だが、女らしさなど皆無だ。

「そうねえ。私も最初から野宿は勘弁してほしいわ、ねえダーリン?」
「そうだな、普通なら徒歩でも何処かの集落なり町なりに到着出来ると見込んできたからなあ」
 
 そして傍らで、ウフフキャハハといちゃつきながら歩く馬鹿夫婦――夫の方はこれまた『誕生石の騎士』の一人『エムロード』のクレモン。

 そして幼さ妻の治癒師・クララ。
 
 この二人もアニエス同様に名目上、僕のお付きの『部下』だ。
 
 ――だけど
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