シトラス。
春の変わりやすい天気は、黒い雲を空に這わせてきた。





風も冷たくなった。







「ほら!行くよ、加織!グズグズすんな」





「谷地さっ!っっ!!」






くじいた時の痛みが襲ってきて、まともに歩けずにその場に倒れ込む。






谷地さんは俯いたまま、集団に囲まれて校舎内に入っていってしまった。







いつの間にか雨がポツポツと降ってきた。





「ちょ、大丈夫??!華夏!」






ひよりが駆け寄ってきた。




焦りと怒りが混じった、複雑な感じで。






「…だ、大丈夫…、多分」







怒りを通り越して、悔しさが胸をしめる。
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