【B】眠らない街で愛を囁いて
13.愛を囁いて -叶夢-

千翔さんにいろいろと助けて貰ってから私と千翔さんの関係は、
出逢った人から店員とお客様、そして……今はあの頃より親しくなれたのかな?


私が抱えてる、あの体質?の話をしても、
千翔さんも、千翔さんのお兄さんもバカにする素振りなんて一つも見せなかった。

そのことがこんなにも私の中で嬉しいなんて、
不安な日々を支えてくれるなんて思いもしなかった。


倒れてたから暫く入院をしてしまっていたから、
正直、職場に連絡をするのも怖かったけど思い切って「明日から復帰したい」と店長に伝えると、


「あまり無理をしないように。体調が悪い時は言ってくださいね。
 明日のシフトは病み上がりを考慮して9時から13時ではどうでしょうか?」
そういって、私を気遣ってくれた。

冷たい都会【まち】だって思った引っ越ししてきた時。

このアパートで生活している人は、やっぱり挨拶をしても返事がない人もいるのは確かだけど
こういう時は……ちゃんと『ぬくもり』を感じることが出来るんだなーって思えた。



アパートに戻って、じっくりと電源の切れたスマホをコンセントにさしながら
起動すると、留守電サービスやらメール、LINEが山の方に届く。






「叶夢、何回も電話してるのにどうしたんだい?
 連絡待ってます」

「叶夢ちゃん、お祖母ちゃんも心配してます。
 体調崩して動けないの?」

「叶夢、お祖母ちゃんもお母さんも心配している。
 無論、お父さんもだ。

 音信不通になって、もう3日だ。
 今日までに連絡がないと、明日にでも叶夢のアパートにお父さんは行ってみようと思う」






幾つも入り続けた留守番電話を順番に再生し続けては確認・削除作業を繰り返して最後の最後で、
ヤバっと思った。


実家の家族にどれだけ心配をかけていたかを理解する。


慌ててコンセントにスマホを繋いだまま、実家へと電話をかける。



「もしもし。叶夢ちゃんかい?」

「あらっ、叶夢ですか?
 お母さん、少し変わっていただけますか?」


そういって受話器の奪い合いらしき声が聞こえる。


「もしもし。ごめん、連絡できないで。
 スマホの充電も少し切れてて……」

「少し切れててって毎日、叶夢アパートに帰ってるの?

 コンビニバイトだって言ってたけど、
 いかがわしいバイトじゃないでしょうね」



ったく、いかがわしいバイトって何をさすのよ。

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