【B】眠らない街で愛を囁いて



「どうぞ」



招き入れられた部屋の正面はガラス張りの空間が広がっていって、
真っ青な空を感じることができした。




「うわぁー、凄いですね。
 こんな空間があったんですね」

「珍しいですか?」

「千翔さん、あの52階には何世帯いらっしゃるのですか?」

「このフロアーには、俺を含めて4人が住んでいます。
 叶夢、何時かはここで一緒に住んでもらえますか?」



えっ……いつかは、この場所が私の住処になる日が本当に来るの?




千翔さんの言葉に、お祖母ちゃん予言が広がっていく。
意識すれば意識するほと、どうしていいのかわからなくなる。





秘密の52階。

禁断のフロアへのご招待を受けた私は、
特別な空間に招き入れて貰えた事実に今よりももっと深く
千翔さんの存在を感じていたいと望んでいた。

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