誰にも言えない秘密の結婚



次の日、私は仕事に行く気にもなれず、社長に休むことをメールした。



『気持ちが落ち着くまで、しばらく休んで大丈夫だから』



事情を知ってるから社長からは、そんな感じのメールが届いた。


ご飯は本当は食べたくないけど、無理矢理、流し込んだ。


これも両親に悟られないため。



「明?仕事に行く時間じゃないの?」



食器を片付けていたお母さんがそう聞いてきた。



「有休が溜まってて、社長から休めって言われたから、2、3日はゆっくりするつもり」


「そう」



お母さんはそれ以上は何も聞かなかった。


嘘を付いてるのは心苦しい。


だけど、両親に心配させたくない気持ちの方が大きかった。






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