誰にも言えない秘密の結婚
「何があったのか聞かないけど、うちはいつまで居てもいいから。でもね藤原さんとはちゃんと話し合いをしなさいよ」
「うん……わかってる……」
「じゃあ、お母さん、ちょっと買い物行って来るから」
「うん」
お母さんはそう言って、エプロンを外すとカバンを持ってリビングを出て行った。
テーブルの上に上半身を倒す。
窓の外に目をやると、青空が見えて、庭の木が風で揺れていた。
蝉の鳴き声が聞こえ、近所の子供達の元気な声が聞こえてくる。
「はぁ……」
口から溜息が漏れる。
話し合い……わかってるよ……。
話し合いをしなきゃいけないことくらい。