誰にも言えない秘密の結婚




「何があったのか聞かないけど、うちはいつまで居てもいいから。でもね藤原さんとはちゃんと話し合いをしなさいよ」


「うん……わかってる……」


「じゃあ、お母さん、ちょっと買い物行って来るから」


「うん」



お母さんはそう言って、エプロンを外すとカバンを持ってリビングを出て行った。


テーブルの上に上半身を倒す。


窓の外に目をやると、青空が見えて、庭の木が風で揺れていた。


蝉の鳴き声が聞こえ、近所の子供達の元気な声が聞こえてくる。



「はぁ……」



口から溜息が漏れる。


話し合い……わかってるよ……。


話し合いをしなきゃいけないことくらい。




< 150 / 302 >

この作品をシェア

pagetop