誰にも言えない秘密の結婚
「なぁ、明ちゃん?」
「はい」
「拓海って優しくて、いい奴だろ?」
社長はそう言ってニッコリ微笑んだ。
「はい」
私は自分のデスクの椅子に座る。
「俺は拓海とは高校からの付き合いだから、それ以前のことは話に聞いただけでだけど、拓海の生い立ちやミナちゃんのことで、あいつもいろいろ苦労や辛い思いをしてきたと思う」
「はい」
「でも、明ちゃんと結婚して拓海は変わったよ」
「変わった?」
「あぁ、変わったよ。明ちゃんと結婚して仕事に対する姿勢とかね」
私には、いつもの拓海さんにしか見えなかった。
でも、高校からの長い付き合いのある社長には、そう見えたのだろう。
そう言われて、なぜか恥ずかしくて少し下を向いた。