誰にも言えない秘密の結婚
「んじゃあ、俺はそろそろ帰るわ」
社長はそう言って、椅子から立ち上がった。
「ありがとうございました」
「いいえ。明ちゃん、仕事のことは気にしなくていいからね」
「はい……ありがとうございます……」
「あ、空翔?」
「ん?」
「明日、明を病院に連れて行くから、俺も休むね」
「えっ?病院なら1人で行けるよ?」
私がそう言うと、拓海さんは私の頭をポンポンとしてきた。
「ダメ。1人で行かせれるわけないでしょ?」
「だけど……」
仕事、休んで大丈夫なのかな。
「明ちゃんをしっかりサポートしてやれよ?」
「あぁ、ありがとう。でも何かあったら連絡して?」
「わかった」
私と拓海さんは玄関まで社長を見送った。
リビングに戻り、拓海さんはパソコンを開いてカタカタとキーボードを叩いてる。
私はダイニングテーブルの椅子に座る。
もし、これが有本さんだったら……。
拓海さんは有本さんのために私と同じことをしたのかな。