誰にも言えない秘密の結婚
事務所に入ると、社長が笑顔で迎えてくれた。
「明ちゃん!よく帰って来てくれたね!」
「長い間、すみませんでした」
「気にしないで。あ、もし体調が悪くなったら休むように。仮眠室もあるから横になることもできるし、無理だけはしないように」
「はい」
私はコートを脱ぎ、パソコンの電源を入れて、椅子を座る。
「そう言えば、お腹の子、女の子なんだって?」
「はい」
つい最近、性別が女の子だとわかった。
拓海さんに言ったら……。
「明と同じように、めちゃくちゃ溺愛しそう」
なんて言ってた。
「嫁に行かせたくないな。パパと結婚する!とか言われたいなぁ」
とも言ってた。