誰にも言えない秘密の結婚




「何でそうなったわけ?」



そう聞いてくるのも普通の反応。


コンビニにご飯を買いに行っただけなのに、2時間後には結婚すると私を連れて帰って来たんだから。



「あの、ですね……実は……」


「俺が話すよ」



私が話そうとしたら、藤原さんがそう言って、2時間の間に何があったのか全て社長に話し始めた。


それを黙って聞いている社長。



「明ちゃん、ゴメン……」



全て話し終えたあと、社長はそう言って椅子から立ち上がると、私に頭を下げてきた。



「社長、頭を上げて下さい」


「俺も、あいつらの明ちゃんに対する態度は気になってた……でも何も出来なくて……拓海が言ったように責任者として情けない……」


「そ、そんなことないです!」



私の言葉に社長は頭を上げて、安堵の表情を見せた。




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